最近、色々な経験された方に出会います。
ある方は、財布の中に入った300円が全財産だった……という方がいたり、
ある方は、すべてを失い自分の持ち物は来ている服だけだった……という方もいます。
けどそれぞれに現在は、まともどころか、豊かな暮らしをされています。
底を打った状態だったのかもしれませんね。
その時の心持はどんなものだったのでしょうか。
深刻にとらえればいくらでも深刻になる
仕事でのミスは深刻にとらえるべき?
仕事でミスをして、会社に損害を与えそうになったとします。
深刻なAさんは、とにかくその責任を顧み、眠れぬ日々を送ります。
次に何が起こるのだろう?という未来の心配と、
あの時こうしておけばという過去の後悔。
Aさんの頭の中はとにかく忙しい。
一方同じミスをしたBさんは、楽観的でした。
確かにミスをしたことへの反省はあります。
ただ、ここでさらに起こることの心配をしたところで、
何一つ物事は好転しません。
Bさんは来たことに対処するだけ。
とにかく早く処理して、次は会社に貢献できる仕事をたっぷりしよう。
そう決心します。
損害処理であたふたする日々ですが、それを遊ぶようにこなし、
彼の足取りはいつも軽やか。
このような二人がいたとき、彼らは人生をどう感じているでしょうか?
スリルを楽しむジェットコースター
Aさんにとって、人生は針の筵。
何か問題が起こるたびにビクビクし、自分を責めて、未来に不安を感じます。
そこから抜け出し、安寧の日々を夢見ます。
彼は、マイナスでなければいい。
そんな生き方なのかもしれません。
Bさんにとっては、人生はジェットコースター。
危なく見えるコースも、ハラハラドキドキを楽しんでいるように見えます。
この二人の違いは、人生を信じているか、いないか、の違いではないでしょうか。
Aさんは、人生は自分に災厄をもたらすことがあると考えていて、
Bさんは、人生はいつも自分に優しい。
起こることは、全て自分に必要なことだから、それを楽しめばいい、と考えているのではないでしょうか。
人生を深刻になるとより深刻になる?
カラーバス効果で深刻な情報を見つけやすい!?
人は、意識したものに関わる情報を集める傾向があります。
例えば、車を買い替えようとして、その候補を決めたとき、街を歩くとその車をよく見かけるような気がします。
他には、パソコンの買い替えを考えると、あちこちでパソコンの広告やCMに目や耳が奪われがちです。
人の脳は、キーワードをいれれば、24時間365日、そこに関連する情報を集め続けます。
これを心理学では、カラーバス効果と言います。
さて、私たちが「深刻な心持」になると、脳は「深刻になるためのネタ」を無意識に探し始めます。
今起こっていることだけでなく、その次に何が起こり、さらに何が起こり‥‥‥と、アリもしない未来の思考まで引き寄せます。
人生はどこまで深刻なのか?
さて、冒頭にあったように、所持金300円だったり、着てる服以外何もないという時、
「深刻思考」であれば、生きていく力が失われていくでしょう。
この次に起こる悪い事ばかりが頭に浮かぶのですから。
けど、300円の人も、着てる服だけの人も未来はともかく、「今どうするか?」に必死だったんだと思います。すると、脳は「今できる事」を検索し始めます。
誰かにお金を借りに行くのかもしれないし、日雇いの仕事をするのかもしれません。
身の回りの物を売るとか、とにかく考えられることはあったのでしょう。
そうやって今をしのいだら、その次に明日の事を考えることができるわけですね。
つまり、悪い未来にフォーカスするか、今できることにフォーカスするかで結果は変わってくるはずです。
そして300円の人も、着てる服だけだった人も、そこを抜けたからか、こう言います。
人生、何とかなるもんだね。
結果、どん底を経験したから、色んなチャレンジをしやすくなったと言います。
状況は選べない……
だから……
私たちは生きている以上、様々なシーンに接することになります。
そのシーンって選べればいいのですが、選べないことも多い。
どの国で生まれ、どんな家庭環境で育ち、どんな社会で生きていくかは、あるていど限定されてきます。
だから大事なのは、そのことを深刻にとらえるよりかは、今の環境を遊ぶという考え方。
大変なことが続くならそれを俯瞰してそこに楽しみを見つける。
もちろんその場にずっといるわけにはいきませんが、もごとの良い側面さえ忘れなければ、きっと救いはあります。
物事は深刻に考えすぎず、遊び感覚で一生懸命やる。
それが大事なのではないでしょうか。