「断捨離」という言葉が定着してどれぐらいいなるでしょうか。
多くの人が一度は使ったことのある言葉となってのではないでしょうか。
ただ、その正しいやり方や、効果を実感している人はごく一部なのではないでしょうか。
今回は、「断捨離」について見てまいりましょう。
「断捨離」とは?
「断捨離」はヨガの考えがベース?
断捨離という言葉をWikipediaで調べると、こんな風に書かれています。
「断捨離」のそれぞれの文字には、ヨーガの行法(ぎょうほう)である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)に対応し、
断:新たに手に入りそうな不要なものを断る
捨:家にずっとある不要な物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
という意味がある。
1976年には沖正弘が提唱し、のちにやましたひでこが商標登録をしているといいます。
余談ですが、私は当初断捨離は「断シャリ」と思っていて、白米を断つことだと思っていました。
断捨離とは物への執着との決別
Wikipediaの説明から考えると、断捨離とは物への執着との決別と考えられそうです。
大事なのは、物そのものを捨てる事と考えると、表面的なんですが、それと決別するメンタルと考えるととても深い意義を感じます。
真空の法則
人は空白を埋めたがる
ある友人は、マグロのように、「止まったら死ぬ」かのごとく、いつもどこかに出かけています。
そして、「忙しい!忙しい!」とこれもいつも同じ言葉を発しています。
彼とは20年来の付き合いですが、忙しくなかったときはありません。
それでよく観察してみると、どうでもいい飲み会に「自分が行かなければ!」と言って参加するし、どうでもいい会議に「自分が必要だから!」と参加しています。
つまり彼は、自分のスケジュールを空白のままおいて置きたくないのです。
それ以外でも、「社員を減らしても回るのに、社員が一人辞めた方一人補充する」とか、なんとなく空白をそのままおいて置くのが嫌で、そこを何かで埋めようとしている。
スケジュール、役割、肩書、コミュニティ、など。
出せば入る
ビジネスの世界では、合わないお客さんをカットすると、当たら良いお客さんがやってくる、と言われたりもします。有名な経営コンサルタントの神田昌典氏もこのことを強調されています。
まずはいらないものをカットせよ、と。
また、たらいの水のたとえも有名ですね。
自分のところに得たければ、たらいの水を、自分以外のところにかき出せばいい。
するとたらいに跳ね返って、自分のところに返ってくるよ、と。
断捨離の効能
断捨離の効能の一つは、この真空の法則を発動させることではないかと思います。
自覚的でないことも多いのですが、何かへの執着を捨て去る。(その執着の象徴的な存在が「物」)
そうすると、心の中がスッキリして、今の自分にふさわしいものが入ってくる。
これはいわば、脱皮のようなもの。
古い皮を脱ぎ捨てて、新しい羽根を手に入れる過程ではないでしょうか。
「断捨離」をしても物事が改善しない場合
どうでもいいものを捨てても「断捨離」の効果は出ない
筆者の解釈においては、断捨離の重要な部分は、「執着を手放す」という事。
これは、物理的に物を捨てるというよりも、物を手放すときのメンタリティが大事ではないかと重います。だから、渋々捨てるのではなく、すすんで、キッパリと捨てる。
そのうえで、心スッキリ晴れ晴れであることが大事なんじゃないでしょうか。
さて、この時に大事なのが、「どうでもいいもの」を捨てても意味がないのです。
たしかに、これまで、捨てる機会がなく何となく置いていたものをスッキリ捨てるということそのものには十分価値があります。けど、それは心のうちに何かが変わったわけではない。
私が考える断捨離の神髄は、「自分の心がどう変わるか?」にあるんじゃないかと思うのです。
捨てにくいものを捨ててこそ「断捨離」
もういちど、断捨離の神髄を見返してみましょう。
断:新たに手に入りそうな不要なものを断る
捨:家にずっとある不要な物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
物への執着から離れる、とあります。
これが最終ステップです。
わたしたちは、幸せを求めて物を手にします。
しかし、幸せは、物がなくてもここにある、と知ることが断捨離の最終到達点だと思います。
そのためには、捨てにくいものを捨てることに価値があるのではないかと思います。
たとえば、誰かとの思い出の品を捨てるのは難しい。
けど、その思い出を脇において、新たな一歩を踏み出すのが断捨離。
どうしても欲しくて集めたコレクションを捨てるのは難しい。
けど、そのコレクションを意識せずとも生きていける自分を発見するのが断捨離。
となると、断捨離が目指すところは、私たちの生き方の変化なのではないでしょうか。
断捨離に際してのチェックポイント
そんな人生を変える断捨離。
真空の法則を呼び込む断捨離。
そのために必要な断捨離とは、こんな要件があるのではないでしょうか。
□今まで大事だったものを手放せているか?(簡単に捨てられるものはそもそも自分にとってインパクトがない)
□気持ちよく手放せているか?(義務感からでは効果が出にくい)
□手放すのは物ではない事を意識出来ているか?
もちろん、失ったものは返ってきませんので、
大事なものを捨てるときは自己責任で。
・断捨離の起源はヨーガの行法
・断捨離は物を捨てることが本意ではない。
・真空をつくれば、そこに新しいものが入るという真空の法則
・断捨離の効果を最大値にするには、捨てるのが難しい事を捨てる
・断捨離を効果的にするチェックポイントは3つ
大事”だった”ものを、気持ちよく手放す。そしてそれは目に見えるものだけではない、ということ。