目標を立て、行動計画に落とし込むとしたら、皆さんはどんな手法を使いますか?
PDCAサイクルというのが有名ですね。
しかし、PDCAの欠点もまた指摘されていることもあります。
VUCAの時代、実は違ったフレームで考えることが必要なのかもしれません。
その一つとして、EFCASの法則について考えてみましょう。
PDCAはなぜ上手くいかないのか?
PDCAのルーツ
PDCAはそもそも、ウィリアム・エドワード・デミングの講演を基に、日本人技師が形にしたという説があります。
P:Plan
D:Do
C:Check
A:Action
からきており、計画し、実行、確認、改善というサイクルを回す、という事がその考え方のベースにあります。
元々、品質改善に関する考え方で起った考え方です。
しかも、デミング本人ではなく、彼の概念をもとに日本人が作ったもの。
実は海外では、PDCAは日本のように重視されているわけではないようです。
変化に弱いPDCA
PDCAというのは、品質改善から生まれたもので、新しいものを生み出す力は大きくはありません。
そもそも「P=Plan」の時点で、常識的な計画しか作ることができなければ、発展的アイデアは出にくい。
大企業の場合、Planが出来たら上長などの承認を受けるといった手続きがあったりして、さらに実行は遅くなりがちです。
生産ラインなどで、決まったものをきまった形で作り出す中での効率化には使えても、創造的なシーンにおいてはPDCAはむしろ足かせになることも多い、と論じる専門家も多いようです。
VUCAの時代に適したPDCAに変わるフレームワーク
PDCAというのは、Planすなわち計画がキモであり、計画なくして行動は起こりません。
ある方は、PDSA、つまりS=Studyということで学習することで、次のPlanに活かすという考え方もあります。
この辺りは解釈の仕方も様々でしょうし、運用上の工夫というレベルではないかと思います。
また、OODAループというものも有名で、Observe(観察)→Orient(状況判断)→Decide(意思決定)→Act(実行)をあらわします。現状をまずは「視る」ことから始めようという提案です。
一方、マインド・マップ開発者のトニー・ブザン氏は、PDCAよりもむしろ、TEFCASという考え方を進めています。
成功のためのフレームワークTEFCASとは?
TEFCASについて
TEFCASとは、以下の頭文字を並べたものです。
T=トライ・オール(すべてを試す)
E=イベント(起こったことを眺める)
F=フィードバック(結果を受け取る)
C=チェック(確認する)
A=アジャスト(調整する)
S=サクセス(成功する)
このサイクルで一番大事なのh、S=成功するなのだそうです。
では、TEFCASについてもう少し詳しく見ていきましょう。
TEFCASとは?
まずは「S=成功」から
TEFCASを回すためにもっとも重要なのは、S=成功です。
具体的には、このプロジェクトの最終的な「成功のイメージ」をしっかり作るという事。
このイメージを明確にすればするほど、脳はそのイメージを求める方法を探し始めます。
検索エンジンにキーワードをいれて、無限のネット検索を行うように、
脳に成功イメージというキーワードをインプットし、その方法検索を行うのが目的です。
次に動きまくるTry-all
ステップの二つ目は、全てを試すということ。
思いついたことはとにかくやってみる。
E=イベント(起こったことを眺める)
すべてを試した状態から、何かしら足掛かりになりそうな道が見つかるはずです。
その時の底をお試しから、本格的な行動に向けて動き始めます。
F=フィードバック
イベントからもたらされたフィードバックを受け止め吟味する。
C=チェック
フィードバックの正当性を確認
A=アジャスト(調整する)
フィードバック、チェックを基に、行動を調整します。
計画は行動しながら
PDCAが「計画の上で行動」という考え方をとるのに対し、TEFCASは走りながら考えるとでも言いましょうか。とにかく手を出してみて、テストしたうえでどこへ動くかを考えてみるという考え方です。
実際に多くの人が体験しているのは、どんなに綿密な計画を立てていても、ちょっとしたことで計画変更を余儀なくされることは多いと思います。むしろ、計画通りに動くことの方が稀です。
そして、計画段階で、全ての可能性を洗い出すことは不可能。
だから、とにかくテストをして見て、そこから得られた知見を基に、どの道を進むかを決めていきます。
また、初めに「成功のゴールイメージ」を明確にしているので、ぶれることがないのでしょう。
結局すべてを予想することができないなら、やってみて考えるという事を重視しているのが、イマドキの行動パターンなのかもしれません。
・PDCAは行動計画には不向きな事が多い
・TEFCASという考え方がVUCAの時代には興味深い
・TEFCASにおいては、まずは成功イメージを固めることから始める
・TEFCASは、その次に様々な形でテストをスタートさせる(思いついたことを片っ端からやる)
・テストのフィードバックを元に、行動を検討していく