人生100年時代。
この言葉がずいぶん流行りました。
しかし大抵は、「老後資金2000万円不足問題」と合わせて語られることが多かったように思います。
古今東西、不老不死を目指してきたのに、いざ、人生100年時代の幕開けとなると、
医療問題
介護問題
年金問題
と現実的な問題が山積です。
実は、人生100年時代って、今まで通りの人生のロールモデルに従うと、問題ばかりが見えてきます。
大事なのは、生き方を変えることが必要なのです。
以下に具体的な内容を見てまいりましょう。
人生100年時代の恩恵を享受するために必要な事
書籍『LIFE SHIFT』が出した結論
長寿化を恩恵にするためには、古い働き方と生き方に疑問を投げかけ、実験することをいとわず、生涯を通じて「変身」を続ける覚悟を持たなくてはならない。
『LIFE SHIFT(ライフシフト)』リンダ・グラットン、アンドリュー
人生100年時代という言葉が流行るきっかけとなった、書籍『LIFE SHIFT』では長寿の恩恵を得るために必要なのは、「変身」を続ける覚悟だと喝破しました。
言い換えれば、同じことの繰り返し、同じ延長線上には、長寿時代への解はないないという事ではないでしょうか。
では、私たちはどんな変身が必要なのでしょうか。
筆者(昭和43年1968年生まれ)の世代においては、人生には確固たるロールモデルがありました。
- 教育→仕事→引退 という風に、人生は3つのフェーズに分けられた
- 「教育」の時代には、より偏差値の高い学校で、バランスよく様々な学問を修めることが求められた
- 「仕事」に関して言えば、大手上場企業への就職が理想とされた
- その結果得られる収入による投資や福利厚生で余生を過ごすことが一般的な理想
つまり、良い学校に通い、良い会社に就職し、その会社を勤め上げる事が出来れば、人生の「勝ち組」と言われました。
しかし雲行きが怪しくなったのは、少子高齢化による公的保険制度の不安や、低金利、さらには経済成長の頓挫による企業の業績不振からのリストラなど、様々なジャンルに及びます。
そのような状態において、全員が一斉に画一的な行動を行っても、みんなが成功できるとは言えない環境になったといえそうです。
人生にバリエーションを持たせる
企業においても、同じ人材を抱え続けることに無理が出てきています。
そして、60歳代で引退・老後という事にも無理があります。
人生が70年程度で終わる時代ならそれもアリでしょうが、今や80歳以上生きるのは当たりまえ。
となると、かつての20歳代~60歳代という「仕事」の期間40年が、いまや20歳代~70歳代の50年にも及ぶことになりそうです。
この長い期間を、1つの会社、1つの職種で生きるという考え方を、たとえば、別の専門分野と掛け合わせることで、新たな価値創造にチャレンジする、という事が考えられます。
私たち一人一人も、新たな価値を未来に向けて作り上げていくことで、社会から求められる人材になり得ます。
高齢者がお荷物になるのは、新たな価値を生み出せないから。
新たな価値を生み出す高齢者は、価値ある存在になり得るのではないでしょうか。
そのためには、「みんなと同じ」というところから脱する必要があります。
大事なのは、ちゃんと自分の未来について考えること。
誰かの模倣ではなく、自分の道を作ることを考える、という事が大事なのではないでしょうか。