「ナチュラル・ブリリアンス・モデル」という言葉、耳にしたことはありますでしょうか?
たぶん、知っている人はかなりなマニアですね。
この言葉は、本を素早いスピードで処理するフォトリーディングの開発者、ポール・R・シーリイ博士が提唱する、能力の開花方法。
詳細を見ていきましょう。
ナチュラル・ブリリアンス・モデルとは?
ポール・R・シーリイ博士
まずは、ナチュラル・ブリリアンス・モデルの提唱者、ポール・R・シーリイ博士について。
Amazonの紹介ではこのようになっています。
ポール・R・シーリィ(Paul R. Scheele, M.A.) 米国ラーニング・ストラテジーズ社の共同設立者。
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1分間に2万5000語を超えるスピードで文字情報を処理することを可能にする「フォトリーディン グ・ホール・マインド・システム」の開発者としても知られる能力開発の世界的権威。
1975年より米国ラーニング・ストラテジーズ社にて、人の潜在能力を最大限に引き出すための人間 開発テクノロジーの研究に取り組むほか、さまざまな場での講演活動も精力的に行っている。
神経言語プログラミング(NLP)、加速学習、前意識処理という、3つの強力な人間開発テクノロジ ーを独自に組み合わせるプログラムは他に類を見ない。
フォトリーディングのノウハウを説いたベストセラー『あなたもいままでの10倍速く本が読める』 (フォレスト出版)は、世界中に読者をもつ。
加速学習の権威といえる方で、私自身、シーリイ博士が開発したセミナーには複数参加しております。
ナチュラル・ブリリアンス・モデルとは?
この考え方が日本に紹介されたのは、2003年の著書『「潜在能力」であらゆる問題が解決できる―あなたの才能を目覚めさせる「ナチュラル・ブリリアンス・モデル」4ステップ』によると思われます。
当時、「潜在意識」というキーワードが広く知れ渡り、それを活用しようというブームがありましたが、内容は少し違った印象を受けます。本書は、見えない不思議な力というわけではなく、脳に備わった機能をしっかりと使い切ろう、という事がテーマ。
そのステップは以下の4つにわけられています。
呼吸でリラクゼーション
視覚・聴覚・気持ち・直感力のオンライン化
継続的改善が成功へ導く
自分と他人・過去と未来を見る視点
これだけをみると、なーんだ、って感じかもしれませんね。
少し、細かく見ていきましょう。
ナチュラル・ブリリアンス・モデルの4ステップ
①解放 ~リラックスすることで脳は活性化する
まずは解放。
このフェーズでは、深呼吸やイメージトレーニングで、心身をリラックスさせます。
なぜならば、人の脳はストレス下では、しっかりと動かないから。
ストレスを受けると、脳の中では「爬虫類脳」と呼ばれる部分が活性化します。
これは自分の命を守ることを最優先する脳。
攻撃的になったり、逃げだしたくなったり。
また、生存本能が働いて、視野は狭くなります。
つまり、人生において必要と思われる「広い視野」「柔軟な思考」とは真逆になってしまいます。
様々な可能性を活かすためには、まずは、ストレスを洗い流し、リラックス状態になることが大事です。
②感知 ~複数の感覚で世界を知覚する
シーリイ博士は、視覚だけでなく、聴覚や直感も磨くことを勧めており、書籍の中でそのためのワークも提示しています。
また、完璧主義は視野を狭め、様々な感覚を脳がシャットアウトしてしまうといいます。
それをトンネルビジョンと呼んでいます。
これを脱するためには、五感に加え、直感に耳を傾けることが大事と言います。
たとえば、視覚を鍛えるために、フォトリーディング・ホールマインドシステムを推奨しています。
これは、ソフトフォーカス(ぼんやりと本を見つめる)で、1ページ1秒の速度で本のページをめくって、映像として本の情報を脳に入力する方法。
様々なワークへの取り組みも大事ですが、まずは感覚に耳を澄ますという事を意識してみてはいかがでしょうか。
今感じてるはずの、衣服が肌に触れる感覚、身体に感じる温度、耳に入る周囲の音など、日頃は無視していることにしっかりと意識を向けるだけでも、一定の効果は感じられるのではないでしょうか。
③反応 ~行動とフィードバック
このフェーズでは、まず行動することが必要です。
行動すると、99%の恐怖心が克服できるといいます。
行動して、その結果を検証する。
そうやって微調整を繰り返していくと、色んなことが上手に実現できるようになります。
ここで大事なのは、諦めない粘り強さ。
一般的な大人が自分でそれをできないと判断するには、最低50回はチャレンジが必要と言います。
せめてそこまでは頑張ってみることが大事だと説きます。
④確認 ~コンサルタントのように見る
ここまでのフェーズを、評価を挟むことなく事実を振り返ってみます。
そうした時に起こる気づき、その時感じた感情などを味わいます。
そういった振り返りを基に、この4つのステップを繰り返していきます。
事実を違った目で見る
360度の視野を持とう
ここにご紹介した、ナチュラル・ブリリアンス・モデル。
字面だけ追っていくと、PDCAみたいな印象を受けるかもしれません。
しかし、少しニュアンスが違う、と私は感じています。
おこる事実を、より広い視点で見直し、今までのパターン化された反応を超えていく、という事が組み込まれています。
そのために、解放(創造的な脳の活動を促し)、感知(より広い視野で状況を把握し)、反応(手を出してみることで五感で状況を受け取り試行錯誤をし)、確認(改めて状況の変化を確認する)というフェーズが組まれていると考えています。
ナチュラル・ブリリアンス・モデルをナチュラル・ブリリアンス・モデルで体感する
これを感じ取る近道は、ナチュラル・ブリリアンス・モデルの4ステップでこの事実に触れること。
まずはリラックスし、今の課題について五感で見てみて下さい。
そこで何か行動を起こし、行動から得られるフィードバックに微調整を加え、ああでもない、こうでもない、といろんな手を出してみます。そして、そこから得られた変化を見てみる。
ぜひ試してみて下さい。
参考文献
『潜在能力でビジネスが加速する――才能を自然に引き出す4ステップ・モデル 』
ポール・R・シーリィ (著),
・ナチュラル・ブリリアンス・モデルは4つのフェーズからなる
・その四つは、①解放、②感知、③反応、④確認
・解放はリラックスする事 結果、脳の創造性が発揮される
・感知は360度の視点、五感と直感で状況を知覚する事
・反応は行動の結果得られるフィードバックから試行錯誤する事
・確認は評価を差し置いて、状況を見る事